ChatGPTが実在するマンガ家の「署名」を勝手に生成、ライセンス契約の裏で浮き彫りになるAI学習の倫理的課題

AIと著作権の問題を表現したイメージ図 AI Technology

ChatGPTが実在するマンガ家の署名入り画像を生成

ハーバード大学のジャーナリズム機関「Nieman Journalism Lab」は、OpenAIのAIチャットボット「ChatGPT」が、実在するマンガ家の署名を含んだマンガ画像を生成したと報じました。

この問題が広く注目を集めるきっかけとなったのは、ドリー・パートンとティム・カリーが天国の受付にいる様子を描いたイラストです。この画像はChatGPTによって生成されたものであるにもかかわらず、米誌『ニューヨーカー(The New Yorker)』で活躍するマンガ家、ブレンダン・ローパー(Brendan Loper)氏の署名である「BLoper」が描き込まれていました。この画像はXやFacebookなどのSNS上で拡散され、大きな議論を呼んでいます。

15人以上のマンガ家の署名を再現

Nieman Journalism Labがさらに調査を進めたところ、ChatGPTは15人以上のニューヨーカー誌のマンガ家の署名を再現して画像を生成したことが判明しました。

デジタルタブレットでマンガを描くクリエイターの手元

ライセンス契約と「トレーニング許可」の食い違い

この問題の背景には、メディア企業とAI開発企業との間の複雑な契約関係があります。ニューヨーカー誌の親会社であるCondé Nastは、2024年にOpenAIとの間でコンテンツ表示に関する複数年のライセンス契約を締結していましたが、ニューヨーカー誌の広報担当者は、Condé NastがOpenAIに対してモデルのトレーニングに使用する許可は一度も与えていないと述べています。

OpenAIの対応と残された課題

この指摘の後、ChatGPTに対して「ニューヨーカー風のマンガ」の生成を指示すると、サードパーティのコンテンツとの類似性に関するガードレールメッセージが表示されるようになりました。一方で、一般的なマンガの生成では実名による署名が継続して生成されることがテストで確認されています。

OpenAIの広報担当者は、将来の創造性は根本的に人間のものであると述べ、バグや意図しない挙動を報告してくれたコミュニティに感謝の意を表明しました。

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