AIとの「終わらない対話」をユーモラスに再現したゲームが登場
近年、生成AIの進化によってウェブデザインやプログラミングの自動化が進んでいます。しかし、AIに指示を出す中で、思った通りの修正が反映されず、同じようなやり取りを何度も繰り返す「堂々巡り」に陥った経験を持つ人は少なくないでしょう。そうした開発現場の「あるある」をユーモラスに再現したシミュレーションゲーム「Opusfived」が公開され、話題を呼んでいます。
「Opusfived」は、チャットAIのClaudeに「カートに追加するボタンを青色にして」とウェブデザインの変更を依頼した際の、一向に完成へと至らない堂々巡りのプロセスを再現したゲームです。公開URLは https://opusfived.dev/ で、誰でもブラウザから体験することができます。
「Opusfived」の背景とゲームの仕組み
このユニークなゲームを開発したのは、ノルウェーのビジネススクールで働くミロシュ・ノヴォヴィッチ氏(BIノルウェー・ビジネススクールの法学准教授)です。同氏は、自身がAIを使ってウェブデザインやコーディングの修正を試みた際のフラストレーションに満ちた体験をベースに、このゲームを制作しました。
ゲーム内では、プレイヤーがAIに対してシンプルなデザイン変更(例えば、ショッピングサイトの「カートに追加する」ボタンを青色にするなど)を依頼するシチュエーションが描かれます。しかし、AIは指示を理解したように見せかけながらも、余計な部分を変更してしまったり、元の状態に戻してしまったりと、一向に目的の修正を完了できません。
注意すべき点として、プレイヤーはOpusfivedで実際にClaude Opus 5とリアルタイムで会話しているわけではありません。このゲームは、同氏の実際の経験をベースに「人力」で作成されたシミュレーションゲームです。

モチーフとなった「Claude Opus 5」とは
ゲームの題材として登場する「Claude」は、Anthropic社が開発するAIモデルシリーズです。特に、Anthropicが2026年7月に発表した「Claude Opus 5」は、その前月である2026年6月にリリースされた「Claude Fable 5」と同等の性能を、わずか半分の価格で実現したAIモデルです。
Claude Opus 5は高い処理能力とコストパフォーマンスを両立したモデルとして知られていますが、本作「Opusfived」は、そうしたAI利用者が直面するやり取りの課題や、デザイン変更におけるミスのプロセスをユーモラスに浮き彫りにしています。
なぜこの「堂々巡り」が重要なのか
「Opusfived」が多くの共感を呼んでいる理由は、AIを用いた開発作業におけるプロンプトの難しさを的確に表現している点にあります。AIは複雑なコードを一瞬で生成できる一方で、以下のような細かな修正の反映において、しばしば堂々巡りを引き起こします。
- 過剰な修正:ボタンの色を変えるだけの指示に対して、レイアウト全体を崩してしまう。
- 先祖返り:別の修正を加えた結果、以前直したはずのデザインが元に戻ってしまう。
- 謝罪のループ:「申し訳ありません、修正します」と繰り返すものの、出力されるコードが変わらない。
このような現象は、AIの文脈理解や指示の反映における特性から生じるものです。プレイヤーは、このゲームを通じて「AIに適切な指示を出すことの難しさ」を体験することができます。
利用者や開発者への示唆と今後の展望
「Opusfived」は単なるジョークゲームにとどまらず、今後のAIとの協働のあり方について重要な示唆を与えてくれます。AIを実務に導入する企業や開発者は、こうした「指示のループ」が発生し得ることを前提としたワークフローを設計する必要があります。
法学准教授というバックグラウンドを持つノヴォヴィッチ氏が、自身の体験をベースにこれほどリアルなゲームを作り上げたという事実は、AIの普及に伴ってその特性や限界を理解することの重要性が広がっていることを示しています。
AIとの対話に疲れたとき、あるいはこれからAIを業務に導入しようと考えている方は、ぜひ https://opusfived.dev/ にアクセスし、この物語を体験してみてはいかがでしょうか。


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